奨学金を借りたいけれど、日本学生支援機構(JASSO)、地方自治体、民間団体など、どこから借りるべきか迷っていませんか。貸与型奨学金にはさまざまな種類があり、借りられる金額だけでなく、利子や返済条件、卒業後の経済的負担まで考えて選ぶことが大切です。
まず知っておきたいのは、返済不要の給付型奨学金や、一定の条件を満たすと返済が免除される貸与型奨学金もあることです。さらに、自治体や企業が返済を肩代わりしてくれる奨学金返還支援制度もあります。借りる前にこれらの制度を知っておけば、将来の負担を減らせる可能性があります。
また、無利子の奨学金を選べば必ず有利とは限らない点にも注意が必要です。卒業後に奨学金返還支援制度を利用する場合、支援の対象になるかどうかによって、有利子の奨学金のほうが有利になる場合もあります。どの奨学金を優先して検討すべきか、判断するためのポイントを押さえましょう。
このページでは、1,000件以上の奨学金情報を収集・紹介してきた元教員の筆者が、奨学金の賢い借り方を解説します。日本学生支援機構、地方自治体、企業・病院、民間財団などの貸与型奨学金を比較し、返済免除や返還支援制度との関係も紹介。どこから借りるべきか、自分に合った選び方を考えていきましょう。
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そもそも、奨学金には「もらえる」タイプもある:奨学金を「借りる」前に知っておこう
奨学金といえば、借りるもので、卒業後に必ず返済が必要なもの。あなたはそう考えていますか?そうだとしたら、その考えは間違っています。
この点で、奨学金は2種類あります。
①給付型奨学金
第一に、タダで「もらえる」奨学金です。これは給付型奨学金と呼ばれており、原則的に、返済が「不要」です。
ただし、もらうためには、一定の条件を満たす必要があります。応募した人の中で、一部の人しか受からないのが一般的です。すなわち、他の応募者と競争して、勝ち取る必要があります。
それでも、給付型奨学金は「借りる」奨学金とは異なり、借金にはなりません。ゲットできれば、学生生活とその後の社会人生活での経済的重荷が軽くなります。
よって、奨学金を借りるのを検討するのと同時に、ぜひ給付型奨学金にも挑戦して、これを勝ち取りましょう。
給付型奨学金は日本でもたくさんあります。日本学生支援機構でも、給付型奨学金を提供しています。
具体的に、どんな給付型奨学金があるかは、当サイトで詳しく紹介しています。
くわしくは、こちらのページへ
②貸与型奨学金
2つ目の奨学金が、借りる奨学金です。これは貸与型奨学金と呼ばれています。貸与型奨学金は実質的に借金になります。多くの場合、学校の卒業後に返済が始まります。
貸与型奨学金にも、いろんな種類があります。具体的にどこから借りるべきかを決めるためのポイントを、以下では説明していきます。
具体的にどこから借りるか決める前に、知っておくべき貸与型奨学金の特徴
知っておくべき特徴は主に3つあります
1,貸与型奨学金には、「返済免除」タイプがある
貸与型奨学金は、一度借りたら、必ず返済する必要がある。そう思っていませんか?厳密にいえば、その考えは間違いです。
貸与型奨学金の中には、一定の条件を満たせば、その一部か全部の返済を免除されるタイプがあります。これが返済免除タイプです。
もし全部の返済を免除されたなら、その場合には、その奨学金を全部タダでもらえたのと同じことです。
返済免除が一部なのか全部なのか。返済免除の条件はなにか。それらはそれぞれの奨学金制度によって異なります。
返済免除は半額か全額のどちらかが多いですが、より細かい区分の場合もあります。条件は、指定された地域に住むことや、指定された業種や会社・病院などで就職すること、優秀な成績を取ることなどがあります。
具体的にどのような返済免除タイプの貸与型奨学金があるのか。これについては、上述の給付型奨学金とともに、たくさん紹介しています。
返済免除タイプ以外の貸与型奨学金は、基本的に、全額の返済が必要です。以下では、主に、この通常のタイプの貸与型奨学金について説明していきます。
2,貸与型奨学金には、利子があるタイプとないタイプがある
奨学金の利子とは、いずれ返済すべき奨学金=借金の一部となるものです。
たとえば、200万円の奨学金を借りたとしましょう。利子が20万円ついたとしましょう。あなたが返済する金額は、借りた奨学金200万円+その利子20万円の220万円です。
利子がない場合は、利子が0円ですので、返す金額は借りた奨学金200万円だけです。
このように利子がある奨学金を有利子の奨学金といいます。利子がない奨学金を無利子の奨学金といいます。無利子の奨学金は借りた金額だけを返すことになります。
普通に考えれば、有利子の貸与型奨学金よりも無利子の貸与型奨学金を借りたほうがよいです。
ただし、ここで2つのポイントがあります。
第一に、無利子の貸与型奨学金を借りる条件は、有利子の貸与型奨学金の条件よりも、厳しいです。よって、無利子のほうが有利子より借りるのが難しいです。
第二に、奨学金の返済・返還支援制度を利用するなら、無利子の貸与型奨学金よりも特定の有利子の貸与型奨学金を借りたほうがよい場合もあります。
「どういうこと?」と思う人も多いでしょう。この点が3点目です。
3,奨学金の返済・返還支援制度というものがある
この制度は、あなたが大学や専門学校などで既に借りている貸与型奨学金の一部か全部を、卒業後に、市町村などの自治体や企業などが代わりに支払ってくれる(肩代わりしてくれる)制度です。
この制度を使えば、あなたがどこからか既に借りている貸与型奨学金の一部か全部を、(別の)自治体や企業などが払ってくれるのです。その分だけ、貸与型奨学金という借金の返済額が減ります。
もちろん、この制度を利用するには、一定の条件を満たす必要があります。それでも、それを満たすなら、あなたの経済的負担は軽くなるのです。
条件としては、指定された地域に住み続けることや、指定された業種・企業・病院などに就職することが多いです。
さらに、ここで重要なポイントがあります。この制度の条件の一つとして、あらゆる貸与型奨学金がこの制度の対象になるわけではないことです。言い換えれば、一部の貸与型奨学金だけがこの制度の対象になることです。
よって、この制度を利用したいなら、この制度の対象外の貸与型奨学金は選ばないべきです。選ぶべき貸与型奨学金が限られてきます。
奨学金の返済・返還支援制度とはどのようなものなのか。具体的に、どの自治体や企業などがこの制度を提供しているのか。
それらについて、より詳しくは、こちらのページへ。
具体的に、どこから貸与型奨学金を借りるべきか:賢い借り方とは
では、具体的にどこから借りるべきなのかを決めるためのポイントをみていきましょう。
主なポイントは2つ
1,学生生活に必要な金額を借りられるか?
そもそも、借りたい金額を借りられるかという問題です。借りられる金額の大きさはそれぞれの奨学金制度によって異なります。あなたに必要な金額を借りられるかチェックしましょう。
「どのくらい借りるべきか」も一つの問題です。これについては、別のページで説明する予定です。
2,審査に合格しやすいか
大部分の貸与型奨学金は、応募者の全員が合格できるわけではありません。少なくとも、一部の人は応募しても落とされます。条件がよい貸与型奨学金ほど、落ちる可能性が高くなりがちです。
あるいはそもそも、応募できる条件が最初から厳しいものもあります。条件はあなたの成績や家庭の所得が一般的です。
よって、応募して合格できるところを探し出すことが必要です。
どこが貸与型奨学金を貸しているのか?
以上を念頭に置きながら、具体的にどこが貸しているのかをみてみましょう。
1,国の制度
最も多くの学生が借りているのは、国の貸与型奨学金でしょう。
具体的には、日本学生支援機構の第一種奨学金(無利子)と第二種奨学金(有利子)があります。これら2つを同時に利用する「併用」も可能です。
これら2つは具体的にどのようなものなのか。その点については、こちらの北jへ。
日本学生支援機構の第一種奨学金と第二種奨学金(在学採用:2025−2026年
その他に、国の教育ローンと呼ばれているのが日本政策金融公庫の教育ローンです。これは有利子の貸与型奨学金と同じです。有利子ですので、日本学生支援機構の第二種奨学金に近いです。
国の教育ローン・学資ローンとは(日本政策金融公庫の教育ローン:2025−2026年
重要なポイント
上述の奨学金の返還支援制度を利用する場合には、日本学生支援機構の貸与型奨学金がオススメです。
なぜなら、ほとんどの奨学金の返還支援制度では、日本学生支援機構の貸与型奨学金が対象になっているためです。
むしろ、日本学生支援機構の貸与型奨学金だけが利用対象の場合も少なくありません。
そのため、どの貸与型奨学金にしようか迷っているなら、まずは日本学生支援機構の第一種奨学金(無利子)をお勧めします。
当初は返還支援制度を使うつもりがなかったが、卒業間際になって使いたくなった、ということも起こり得ます。そのような場合でも、日本学生支援機構の第一種奨学金なら、たいてい対応できます。
日本学生支援機構の第二種奨学金(有利子)を選ぶべきか、それとも他の無利子の貸与型奨学金にすべきか。奨学金の返還支援制度の利用を検討しているなら、これは悩ましい問題です。
2,都道府県や市町村の地方自治体の制度
都道府県などの地方自治体でも、貸与型奨学金を貸しています。
あなたが利用できるのは、2パターンです。
第一に、あなたの出身地の貸与型奨学金です。第二に、あなたの現居住地の貸与型奨学金です。
たとえば、あなたが北海道の湧別町の出身であり、現在は高知県の高知市に住んで大学に通っているとしましょう。
この場合、あなたは北海道と湧別町という出身地と、高知県や高知市という現居住地の4つの自治体から、貸与型奨学金を借りられる可能性があります。
それぞれの条件が異なりますので、自分に合った奨学金を選ぶとよいでしょう。
返済免除タイプとの関係
多くの返済免除タイプの貸与型奨学金が自治体から提供されています。もっとも、このタイプを提供していない自治体のほうが多いので、提供されていたらラッキーです。
多くの場合、返済免除の条件はその地域に住むことです。この返済免除タイプの主な目的は、若い人たちを自分の地域に定住させることにあるからです。
奨学金の返還支援制度との関係
奨学金の返還支援制度を利用する場合、自治体の貸与型奨学金はその制度の対象になる可能性がそれなりにあります。
日本学生支援機構の貸与型奨学金のほうがより広く対象になりやすいですが、自治体の貸与型奨学金もそれなりに対象になりやすいです。
ただし、自分の自治体が貸した貸与型奨学金だけが自分の自治体の奨学金返還支援制度の対象になるというケースもあります。たとえば、●●県の貸与型奨学金だけが●●県の返還支援制度の対象になる(▲▲県の貸与型奨学金は対象外)など。条件をよくみてみましょう。
3,企業や病院などの制度
企業や病院なども貸与型奨学金を貸しています。
特に、人手不足の業界では、若い人材確保のために、返済免除タイプの貸与型奨学金を貸しています。そのため、条件はその業種や会社などで就職することです。
あなたが特定の業種に就職するなら、このタイプの奨学金を選ぶとよいでしょう。建築業界や、医療(医者や看護師や薬剤師)、介護(介護福祉士や社会福祉士など)などがしばしば対象となっています。
ちなみに、同じく若い人材確保の目的で、返還支援制度を提供している自治体や企業・病院なども多くあります。
4,民間の財団など
そのほかに、民間の育英会や財団なども貸与型奨学金を貸しています。
返済免除タイプを提供している場合も多いです。このタイプは一度チェックしてみたほうがよいでしょう。
無利子の通常の貸与型奨学金を提供している場合もあります。これを借りるべきかが一つの問題です。
ポイントとして、民間団体の貸与型奨学金は返還支援制度の対象外になりやすいです。よって、この制度を利用する可能性があるなら、注意が必要です。
民間団体の無利子の貸与型奨学金か、日本学生支援機構の有利子の第二種奨学金か。他の貸与型奨学金を借りられず、どちらかしか選べないなら、これは悩みどころです。
それでも、自治体や民間団体の無利子の貸与型奨学金は、有利子の貸与型奨学金や教育ローンを借りるよりも望ましいのが一般的です。日本学生支援機構の第二種奨学金を借りられない場合など、役に立つ場面も多いでしょう。
特に、保護者が急に亡くなるなどして経済的危機に陥ったときなどには、重宝するでしょう。
(交通)遺児などのための給付型・貸与型奨学金制度があることを知っておきましょう。
国の教育ローンよりも、これらの無利子の貸与型奨学金を借りよう
さらに、この点はしっかり押さえておきましょう。それは、国の教育ローンといわれる日本政策金融公庫から有利子の貸与型奨学金を借りようとする前に、これらの無利子の貸与型奨学金を借りようとしたほうがよい、ということです。
日本政策金融公庫は一年中、いつでも応募できます。この点が日本政策金融公庫の最大の長所です。
これにたいし、無利子の貸与型奨学金は応募期限があります。その期限をすぎると、翌年まで応募できません。場合によっては、翌年の募集がない可能性もあります。
そのため、あなたが急に貸与型奨学金を借りたくなっても、応募期限が過ぎていたなら、これらの無利子の貸与型奨学金を利用できません。
したがって、あなたが教育資金で困る前に、今の時点で、これらの無利子の貸与型奨学金についてしっかりと調べておきましょう。もし教育資金で困りそうだと思うなら、これらに応募しましょう。
これらは無利子ですので、借りておいても、利子はつきません。よって、学生生活が始まっても、この借りたお金を全く使う必要がないようなら、使わないでおきましょう。学校卒業のタイミングで、全額をそのまま返済しましょう。
どのような無利子の貸与型奨学金があるのか
具体的に、どのような無利子の貸与型奨学金があるのか?そのリスト(応募時期ごとに分類)はこちらのページへ。
あなたの出身地や現居住地では、どのような給付型・貸与型奨学金が提供されているのか。そのリストはこちらのページへ。
