看護学校を選ぶとき、「複数校を比較したほうがよい」と思っていても、何を比べればよいのか、どのように進めればよいのか分からない方も多いでしょう。
看護学校について詳しくない段階では、どのような教育や支援があるのか、その特徴が自分に合っているのかを判断することも簡単ではありません。
そこで大切なのが、最初から1校に決めず、3~5校の情報を同じ条件で比べることです。
この記事では、当サイトで比較の準備をし、公式資料を使って自分に合う学校を絞り込む方法を、元教員の視点から分かりやすく解説します。オープンキャンパスを追加の比較手段として活かす方法も紹介します。
セクション1|看護学校は3段階で比較しよう
気になる看護学校が見つかっても、最初から1校だけに絞る必要はありません。
学校の情報を1校だけ読んでも、紹介されている教育や支援が多くの看護学校に共通するものなのか、その学校ならではの特徴なのかを判断しにくいからです。
また、看護学校について詳しくない段階では、シミュレーション教育、多職種連携教育、災害看護、地域・在宅看護など、比較すべき特徴の存在自体を知らないこともあります。
そのため、最初から完璧な比較条件を決めようとせず、複数校のページを読みながら、自分の興味や譲れない条件を見つけていきましょう。
看護学校の比較は、次の3段階で進めます。
| 段階 | 使用するもの | やること |
|---|---|---|
| 第1段階 | 当サイトの学校別ページ | 各校の主な特徴を知り、自分の興味・関心や譲れない条件を明確にする |
| 第2段階 | 3~5校の公式資料 | 関心・条件ごとに各校を詳しく比較し、自分との相性を確かめる |
| 第3段階 | 必要に応じてオープンキャンパス | 資料では分からない雰囲気や設備の使われ方、疑問点を確認する |
詳しく比較する学校は、3~5校程度が目安です。
1校だけでは比較の基準を作れず、2校だけでは「どちらがよいか」という単純な二者択一になりやすくなります。3校以上を並べると、各校の共通点と違いが見えやすくなり、自分が何を重視しているのかも明確になります。
一方で、候補が多すぎると情報を整理する負担が大きくなります。最初は広く学校情報を集めても構いませんが、公式資料を使って詳しく比べる段階では、3~5校程度に絞ると進めやすくなります。
ここで選んだ3~5校を、すべて受験する必要はありません。まずは比較する候補として残し、学校が重視していることや具体的な教育内容を比べながら、自分の希望に合う学校を絞り込んでいきます。
セクション2|第1段階:当サイトで比較の準備をする
第1段階の目的は、ここで最もよい看護学校を決めることではありません。
複数の学校ページを読み、各校の主な特徴を知りながら、「自分は何に興味があるのか」「学校選びで何を譲れないのか」を明確にすることです。
複数校のページを読んで、比較するポイントを見つける
まずは、通学できる地域などから候補になりそうな看護学校を探し、複数校の学校ページを読んでみましょう。
この段階では、すべての情報を細かく覚える必要はありません。教育内容、実習、学習支援、就職支援などを見ながら、気になった点を簡単にメモしておけば十分です。
複数校のページを読むと、シミュレーション教育、多職種連携教育、災害看護、地域・在宅看護など、それまでよく知らなかった看護学校の特徴に気づけます。
また、同じような説明が複数校にあれば、多くの看護学校に共通する特徴だと分かります。一部の学校だけが詳しく紹介している内容があれば、その学校の特徴だと分かります。
このように複数校を見ることで、学校名や知名度だけではなく、教育内容の違いをもとに比較できるようになります。
気になった特徴について、「なぜ気になったのか」を考える
次に、メモした特徴がなぜ気になったのかを考えます。
理由を一段掘り下げることで、自分が学びたいことや、学校選びで譲れない条件が見えてきます。
たとえば、次のように考えます。
- シミュレーション教育が気になった
➞実習に出る前に、十分な練習をしておきたいから - 災害看護が気になった
➞災害時に活動できる看護師に興味があるから - 少人数での技術指導が気になった
➞分からないことを質問しながら、自分のペースで練習したいから - 学習支援が気になった
➞勉強についていけないときに相談できる環境がほしいから - 学費や奨学金が気になった
➞決めた金額の範囲内で通えることを譲れない条件にしたいから
「学んでみたい」「体験してみたい」と思うものは、自分の興味・関心です。「満たしていなければ候補から外す」と思うものは、譲れない条件です。
気になった特徴をすべて掘り下げる必要はありません。特に大切だと思うものを3点ほど選べば、次の段階で何を比較すればよいかが分かりやすくなります。
比較する学校を3~5校に絞る
自分の興味・関心や譲れない条件が見えてきたら、詳しく比較する学校を3~5校程度に絞ります。
この段階で志望順位を決める必要はありません。譲れない条件を満たしており、詳しく知りたい特徴がある学校を、比較する候補として選びましょう。
第1段階で決めるのは、次の2つです。
- 詳しく比較する看護学校:3~5校
- 比較するときに重視する興味・関心や条件:3点ほど
ここでは、各校の主な特徴をおおまかに把握するところまでで構いません。
3~5校の公式資料を取り寄せる
比較する学校を3~5校に絞ったら、各校の公式資料を取り寄せます。
資料が届いたら、学校ごとに読むのではなく、自分が重視する関心・条件について3~5校を並べて比較します。詳しい比較方法は、次のセクションで説明します。
公立校を主な志望校にする方へ|比較校選びのポイントとは?
公立校を主な志望校にする方へ|比較校選びのポイントとは?
公立校を主な志望校にする場合も、資料を取り寄せる3~5校の中に、私立校を少なくとも1校入れるのがポイントです。
公立校のメリットと気になる点が分かりやすくなる
公立校の大きなメリットは、私立校より学費などの負担を抑えやすいことです。
その分、設備、実習前の技術練習、学習支援、就職支援などの内容は私立校より弱くなりがちです。私立校と比べることで、公立校との費用差だけでなく、設備や支援、国家試験・就職実績などの違いも見えやすくなります。
そのうえで、「費用が安いことを優先したい」「この設備や支援の差なら問題ないか」など、気になる公立校の学習環境が自分にとって許容できる範囲かを判断できます。
資料請求にかかる費用を抑えやすい
公立校では、学校資料そのものは無料でも、取り寄せに送料などがかかる場合が多いです。一方、私立校では、資料請求は完全無料が基本です。
比較する学校をすべて公立校にするよりも、無料で資料請求できる私立校を1校以上入れることで、費用を抑えながら気軽に比較対象を広げられます。
資料を取り寄せた学校を、必ず受験する必要はありません。公立校と私立校を同じ条件で比べ、自分に合う学校を判断するための比較対象として活かしましょう。
※資料請求にかかる料金は、資料請求のページに明記されています。
セクション3|第二段階:一つの関心・条件について各校を比較する
まず、公式資料で主な特徴の最新情報を確認する
公式資料が届いたら、当サイトで気になった各校の特徴が、最新の資料で変更されていないか確認します。
教育内容や施設、学生への支援は変わることがあります。当サイトの情報と違いがある場合は、最新年度の公式資料をもとに比較しましょう。
ただし、最初から資料のすべてを細かく読む必要はありません。まずは、自分が気になった主な特徴を確認すれば十分です。
最も重視したい関心・条件を一つ選ぶ
次に、第1段階で明確にした興味・関心や譲れない条件の中から、最も重視したいものを一つ選びます。
まずは一つの関心・条件について、3~5校を横に並べて比較しましょう。一度に多くのことを比べようとすると、各校の違いが分かりにくくなるためです。
比較は、次の4つの手順で進めます。
- 各校が重視していることを書く
- 代表的な具体例を一つ書く
- 関係する写真や図を見る
- 自分にとっての違いを短く書く
資料の内容をすべて書き出す必要はありません。学校ごとに代表的な内容を一つずつ選び、最後に「自分にとってどのような違いがあるか」を一言でまとめます。
比較例|実習前に十分練習できるか
| 学校A | 学校B | 学校C | |
|---|---|---|---|
| 学校が重視すること | シミュレーション教育 | 少人数での技術指導 | 早期からの臨床体験 |
| 具体例 | 急変対応や複数患者への対応演習 | 少人数グループで繰り返し技術練習 | 1年次から病院・施設を見学 |
| 写真・図 | 高機能シミュレーターを使った演習 | 教員が学生を個別に指導する様子 | 病院で患者と関わる実習の様子 |
| 比較結果 | 実際の医療場面に近い状況で練習しやすい | 基本技術を自分のペースで確認しやすい | 早くから現場を知りやすい |
同じ「実習に備えたい」という希望でも、学校によって力を入れている教育は異なります。
たとえば、学校Aは医療現場に近い状況での演習、学校Bは少人数での反復練習、学校Cは早い時期から現場を知ることを重視している、というようにです。
表の「比較結果」には、資料の説明をそのまま写すのではなく、その特徴が自分にとってどのようなメリットになるかを短く書きます。
学校ごとに資料を読むだけでは、どの学校も魅力的に見えやすくなります。同じ関心・条件について比べることで、教育方法の違いと、自分の希望に最も合う学校が分かりやすくなります。
セクション4|同じ比較を複数の関心・条件で繰り返す
学校選びで重視する関心や条件は、一つだけではありません。前のセクションで行った比較を、別の関心・条件についても繰り返します。
ただし、作業を複雑にしないため、まずは優先度の高い3項目だけを比較しましょう。
たとえば、次の3項目です。
- 実習前に十分練習できるか
- 興味のある看護領域を学べるか
- 必要な学習支援を受けられるか
それぞれについて、各校が重視していること、代表的な具体例、関係する写真・図、自分にとっての違いを確認し、同じ比較表を1回ずつ作ります。
一つの項目ごとに分けて比較することで、異なる情報が混ざらず、各校の違いを整理しやすくなります。
最後に比較結果だけをまとめる
3項目の詳しい比較が終わったら、結果だけを一つの簡単な表にまとめます。
評価には、次の4つの記号を使います。
- ◎:希望とよく合う
- ○:おおむね合う
- △:希望との一致が少ない
- ?:公式資料だけでは判断できない
| 比較したこと | 優先度 | 学校A | 学校B | 学校C |
|---|---|---|---|---|
| 実習前に十分練習できるか | 高い | ◎ | ○ | ○ |
| 地域・在宅看護を学べるか | 高い | △ | ◎ | ○ |
| 少人数で支援を受けられるか | 普通 | ○ | ◎ | ○ |
公式資料で分からないことは、無理に推測せず「?」のままで大丈夫です。分かる範囲の情報を使って、自分との相性を判断しましょう。
また、◎の数だけで志望校を決めるのではなく、優先度の高い項目を重視します。
この例では、学校Aは実習前教育との相性がよく、学校Bは地域・在宅看護と少人数支援の両方が希望に合っています。実習前の準備という条件を最も重視するなら学校A、学びたい看護領域や支援を重視するなら学校Bが有力な候補になります。
同じ比較を複数の関心・条件について行うことで、自分との相性や希望との一致度を総合的に判断できます。
公式資料を使ったこの比較だけでも、志望校を十分に絞り込めます。比較の手段として、オープンキャンパスは、開催時期が合い、さらに確かめたいことがある場合に活用するだけでも大丈夫です。
セクション5|第3段階:必要な学校はオープンキャンパスで確かめる
公式資料を使って比較すれば、自分との相性や希望との一致度を判断し、志望校を絞り込めます。そのため、オープンキャンパスへの参加は必須ではありません。
開催時期が合い、資料だけでは分からなかったことや、実際に確かめたいことがある場合に、プラスアルファの比較手段として活用しましょう。
迷いが残っている学校を見に行く
比較した3~5校のすべてに参加する必要はありません。
比較結果が同じくらいで迷っている学校や、資料だけではよく判断できない「?」が多い学校など、必要な学校を選びます。
オープンキャンパスでは、主に次のことを確認できます。
- 教員や在校生、校内の雰囲気
- 設備が実際の授業でどのように使われているか
- 公式資料を読んでも分からなかったこと
設備は、あるかどうかを見るだけではなく、学生がどのように使っているかを確認すると、学び方をイメージしやすくなります。
比較した条件について質問する
オープンキャンパスで質問するときも、これまで比較してきた関心・条件を使います。
たとえば、「実習前の技術練習は、授業以外でもできますか」「地域・在宅看護を学べる具体的な機会はありますか」など、資料だけでは分からなかった点を質問します。
複数校のオープンキャンパスに参加する場合は、同じ質問をすると違いを比べやすくなります。確認した結果は、セクション4で作った表に短く書き加えるだけで構いません。
オープンキャンパスの時期が終わっていたり、予定が合わなかったりしても、公式資料による比較だけで学校選びを進められます。オープンキャンパスは参加できる場合に、迷いを減らすための追加確認として活かしましょう。
セクション6|まとめと次の一歩
看護学校は、最初から1校に決めず、3~5校を比べることで、それぞれの特徴と自分との相性が分かりやすくなります。
まずは当サイトで複数校の主な特徴を知り、自分の興味・関心や譲れない条件を明確にします。
次に3~5校の公式資料を取り寄せ、優先度の高い3条件について、学校が重視していること、具体例、写真・図を比べます。最後に結果をまとめれば、自分の希望に合う学校を絞り込めます。
オープンキャンパスは、開催時期が合い、さらに確かめたいことがある場合に活用する追加的な手段です。
現在の状況に合う段階から、学校比較を始めましょう。
まだ比較する学校が決まっていない方
まずは当サイトの学校ページを読み、気になる特徴や譲れない条件を見つけましょう。
比較したい学校が3~5校に絞れている方
各校の公式資料を取り寄せ、同じ関心・条件について詳しく比べましょう。
▶3~5校の公式資料を取り寄せる
