京都看護大学を検討するなら、看護に特化した単科大学での学び方と、京都の医療機関とのつながりに注目したいところです。この京都市中京区にある4年制大学について、このページでは、授業・実習や入試・学費、卒業後の進路など、気になる情報を紹介していきます。
まず授業・実習については、4期制での学び方や、学修支援センターによるサポートを取り上げます。学内での技術練習から臨地実習へ進む流れに加え、低学年からの国家試験対策も紹介します。合格実績とあわせて、日々の学習と国試の準備がどうつながるかを解説します。
入試では、2027年度からの資格・検定加算制度や、公募推薦の変更点が注目点です。AO入試・推薦・一般選抜・社会人入試などの違いを紹介し、試験科目や出願条件を整理します。偏差値や倍率も方式ごとに取り上げ、受験方法を検討する際のポイントを解説します。
学費については、4年間の学校納入金と、教材・実習用品などにかかる費用を分けて紹介します。大学独自の奨学金に加え、京都市・京都府の修学資金も注目したい制度です。給付・貸与の違いや、卒業後の勤務先と返済負担との関係を取り上げます。
なお、口コミには、実習先までの移動や、課題・テストの多さについて気になる声もあります。教員への相談のしやすさや、同じ目標の仲間と学べることへの評価も取り上げます。このページでは、その他の点も含めて解説していきます。
セクション1|京都看護大学の基本的な特徴
京都看護大学は、京都市中京区にある4年制の私立大学です。京都府唯一の看護系単科大学・大学院として、大学全体を看護教育に特化させていることが大きな特徴です。
前身である京都市立看護短期大学の58年間の教育資産を受け継ぎ、学士教育と専門職教育を組み合わせた「看護師エキスパート教育」を行っています。
教育では、1年次から臨床を意識した学びを取り入れ、地域包括ケアやチーム医療、国際看護へと視野を広げていきます。さらに、iPadを使ったICT教育やシミュレーターを活用した演習環境もあり、看護に集中できる単科大学の環境と、実践につながる教育を組み合わせていることが京都看護大学らしさです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 学部・学科 | 看護学部 看護学科 |
| 学校種別 | 私立大学・看護系単科大学 |
| 修業年限 | 4年 |
| 入学定員 | 100名 |
| 所在地 | 京都市中京区壬生東高田町1-21 |
| 主なアクセス | 阪急・京福「西院駅」徒歩9分、JR「丹波口駅」徒歩13分 |
| 取得できる学位 | 学士(看護学) |
| 卒業時の主な資格 | 看護師国家試験受験資格 |
京都府唯一の看護系単科大学で、看護に集中して学べる
京都看護大学では、大学で幅広い知識や考える力を養う学士教育と、看護師として必要な専門性を育てる教育を組み合わせた「看護師エキスパート教育」を掲げています。総合大学の一学部として看護を学ぶのではなく、大学全体が看護師の育成を中心に構成されている点が特徴です。
大学そのものは2014年開学ですが、前身の京都市立看護短期大学が58年間にわたって培ってきた教育資産を継承しています。看護に特化した大学環境と、前身校から続く看護教育の蓄積を併せ持つことは、京都看護大学を他校と比較するときの重要なポイントです。
地域包括ケアやチーム医療を意識した看護を学ぶ
京都看護大学では1年次から臨地実習が始まり、早い段階から実際の看護を意識しながら学習を進めます。また、病院の中だけでなく、地域で生活する人を支える地域包括ケアも重視しています。
地域包括ケアでは、看護師だけで患者を支えるのではなく、医療・介護・福祉などの専門職との連携が必要になります。そのため、看護師の役割だけでなく、他職種と協力して患者や地域住民を支えるチーム医療の視点も学びにつながります。
ただし、京都看護大学は看護系単科大学のため、医・薬・リハビリなど複数の医療系学部の学生が日常的に一緒に学ぶタイプの大学とは異なります。他学部との合同教育よりも、看護を軸として地域や他職種との連携を考える教育を重視する大学として比較するとよいでしょう。
国際看護を通して、異なる文化や社会にも視野を広げる
地域や国内の医療だけでなく、国際的な視点から健康や看護を考える学びもあります。カリキュラムには「国際看護論」「国際看護論実習」が設けられており、異なる文化や社会的背景を持つ人への看護について考える機会があります。
看護の対象となる人の生活背景や価値観は一人ひとり異なります。地域に根差した看護だけでなく、文化や社会の違いまで視野を広げて看護を考えられることは、看護系単科大学で専門性を高めながら幅広い視点も身につけたい人にとって注目したい教育内容です。
ICTとシミュレーターを看護技術の習得に活用
京都看護大学では開学当初からiPadやデジタルテキストを教育に取り入れています。教材や授業資料を見るだけでなく、演習中の自分の援助場面を録画し、動きを確認しながら看護技術を振り返る学習にも活用しています。
学内には看護領域ごとの実習室があり、採血などを練習するシミュレーターや患者の状態を再現するモデルなどを使った演習も行います。知識を覚えるだけでなく、自分の看護技術を確認しながら繰り返し練習できる環境は、実践的な学びを重視する人にとって魅力です。
学年担当制があり、複数の教員へ相談できる
学生支援では、複数の教員による学年担当制を採用しています。各教員にはオフィスアワーも設けられ、履修相談などについて個別指導を受けられる仕組みがあります。
制度だけから実際の満足度まで判断することはできませんが、学修について教員へ相談するための仕組みが明確に用意されていることは評価できます。専門科目や演習が増えていく大学生活で、相談できる制度を重視する人には確認しておきたい特徴です。
なお、学部4年間で取得を目指す中心資格は看護師国家試験受験資格です。保健師国家試験受験資格を看護師と同時に取得する学部課程ではありません。 保健師については大学院博士前期課程に保健師コースがあるため、学部在学中に看護師と保健師の両方を目指したい人は、保健師課程を設けている他大学との違いを確認しておきましょう。
京都看護大学は、京都府唯一の看護系単科大学・大学院という専門環境を土台に、前身校から続く看護教育、地域包括ケアやチーム医療、国際看護、ICT・シミュレーションを活用した教育を組み合わせていることが特徴です。
総合大学の幅広さよりも、4年間を通して看護に集中しながら、地域から国際的な視点まで看護の可能性を広げたい人は、資料を取り寄せて教育内容を他校と比較してみるとよいでしょう。
セクション2|京都看護大学の口コミ・評判
講師・授業の口コミ
講師・授業に関する口コミでは、まず看護の専門分野を深く学べることが評価されています。
さまざまな看護の領域の専門知識について深く知ることができます。
様々な専門分野を幅広く学べることが高く評価されています。
実際に、京都看護大学では看護学の専門分野を横断的に学べるよう科目を配置し、すでに学んだ知識と新しい内容を関連づけながら学ぶ「科目間連携」を取り入れています。
1・2年次で基礎から専門的な知識へと学びを進め、3年次の臨地実習などにつなげていく構成です。大学側も、このカリキュラムを通して現場での判断力や実践への応用力を養うことを目的としています。
看護師になった後も患者の状態や生活背景を踏まえて考える力が必要になるため、専門知識を幅広く関連づけながら学べることは、実習や卒業後の看護実践につながるメリットといえるでしょう。
一方で、授業の分かりやすさについては、教員によって評価が分かれています。
先生に関しては、外部からの講師や、病院の先生方が来られることもあり、教え方は人それぞれで、良い先生もいれば、かなり教え方がわかりにくい先生もいるため、そこの部分はしっかりとして欲しい点である。
ほかの口コミでも、全体としては分かりやすいと評価する学生がいる一方、教員によっては内容が難しく感じたり、説明や資料が分かりにくく、自主学習が必要だったと感じたりした学生もいます。反対に、資格取得に必要な内容を分かりやすく教えてもらえたという声もあり、授業そのものへの評価が割れています。
そこで気になるのが、分からない時のサポートです。
人数が少ないので先生達は学生一人一人のことを把握してくれているので学習も進めやすいです。
教員が一人ひとりの学生を把握していることが、学習の進めやすさにつながっていると評価されています。
ほかの口コミでは、教員は熱心で、先生との距離が近いことを良い点として挙げる声がありました。教員からのサポートは好評といえます。
実際に、学生を支える仕組みとして、複数の教員が各学年を担当する「学年担当制」が設けられています。また、授業や学生生活などについて教員に相談できるオフィスアワーが設定されているほか、学修支援センターでも一人ひとりの学修ニーズに応じた支援を行っています。
さらに、通常の教員によるサポートとは別に「学修支援センター」も設置されています。ここでは、入学時のリメディアル教育(大学での学習に必要な基礎を補う学び)から、日々の学習をスムーズに進めるための支援まで行っています。
単に分からない内容を教えるだけでなく、学生自身が学習上の課題に気づき、自分で学びを進められるようになることまで支援の目的とされています。
こうした環境のメリットは、専門的な授業で分からないところが出てきたときに、一人で抱え込まず相談先を持ちやすいことです。
特に看護学は学年が上がるにつれて専門性が高まり、演習や実習にも学んだ知識をつなげていく必要があります。普段から教員に相談できる環境があれば、理解が不十分な部分を確認しながら次の学習へ進みやすくなります。
演習・実習の口コミ
まず演習については、実際の看護場面を想定しながら技術を練習できることが評価されています。
演習は多い方だと思います。ベッドを使って学生同士で演習ができ、とても実践的です。
この口コミでは、演習の多さだけでなく、その内容が実習の役に立つことが高く評価されています。
実際に、講義で学んだ知識を演習、さらに臨地実習へと段階的につなげるカリキュラムが組まれています。実際の演習では、学生同士で看護師役と患者役を交代しながら看護技術を練習する授業も行われています。
たとえば2年次の「生活行動看護演習4」では、血圧や脈拍、呼吸音などを確認するフィジカルイグザミネーションについて、シミュレーターを使った練習に加え、学生同士で看護師役・患者役になり、患者への声かけも含めて実践しています。
こうした演習のメリットは、手順を覚えるだけでなく、患者への接し方も含めて実際の看護に近い形で練習できることです。学内演習で繰り返し経験しておけば、病院や施設での臨地実習に進んだ際にも、焦って失敗するリスクを防ぎやすくなります。
また、こうした演習を支える看護学習用の設備が整っていることも口コミで評価されています。
看護の単科大学ということもあり、看護一筋で学べるのと同時に、看護を学ぶための設備も整っている。先生方もとても熱心に教えてくださり、とても充実した大学生活を送れる。
ほかの口コミでも、実習や演習の専用教室が複数あり、設備が充実していると評価されています。熱心な教員が充実した演習設備で教えてくれることへの高い評価です。
実際に、看護技術を学ぶための実習室が領域ごとに設けられています。実習室1には20床のベッドと看護技術を学ぶための教材があり、実習室2には在宅環境を再現した設備、実習室3には妊娠・出産や小児看護を学ぶための設備があります。さらに実習室4では、さまざまな年齢や健康状態の人に合わせた看護技術を学べるようになっています。
さらに、「スキルスラボ」も設置されています。ここでは、患者の身体状態を確認するフィジカルアセスメントなど、科学的な根拠に基づいた看護技術をトレーニングでき、自分たちの動きを客観的に振り返ることもできます。
こうした設備のメリットは、患者の年齢や健康状態、療養する場所の違いに合わせた看護を、学内にいながら具体的に練習できることです。
たとえば、病院のベッド上で行う基本的な看護技術だけでなく、在宅で生活する人への看護、妊産婦や子どもへの看護など、それぞれ異なる状況を想定して練習できます。実際の看護では、同じ技術でも患者の状態や生活環境によって方法や配慮する点が変わるため、対象に合わせて看護を考える力を演習の段階から身につけやすいことがメリットです。
さらに、スキルスラボでは技術を実践するだけでなく、自分の動きを客観的に振り返ることができます。うまくできなかった部分を確認して練習し直せるため、「知っている」状態から「実際にできる」状態へ近づけてから臨地実習に臨みやすい環境といえるでしょう。
実習については、実習中に教員へ相談できることが評価されています。
実習では先生に相談できる環境で、かなりお世話になった。
この口コミでは、実習中に困ったことや分からないことがあった際、教員に相談できたことが高く評価されています。
実際に、実習施設と大学が連携して学生を指導する体制を整えています。実習先の指導者だけに任せるのではなく、大学の教員も実習指導に関わり、学生の学びを支援しています。
そのため、実習先で経験したことを教員と確認しながら、学内で身につけた知識と実際の患者への看護を結びつけていけることがメリットです。口コミにあるように、困ったときに相談できる環境があれば、分からないまま実習を進めるのではなく、自分の考えを整理しながら次の行動につなげやすくなります。
ほかの口コミでは、1年次から実習があり、実際に病院へ行ったことで看護師のイメージが明確になったという声もありました。
実際に、1年次から臨地実習が始まります。その後、学内で講義や演習を重ねながら、3年次には各看護領域の臨地実習へと進み、段階的に実践経験を積む構成になっています。
1年次という早い時期に医療現場を経験できることで、看護師が患者とどのように関わり、どのような仕事をしているのかを具体的にイメージしやすくなることがメリットです。その後の講義や演習でも、「実際の現場ではどのように使う知識なのか」を意識しながら学びやすくなります。
ただし、実習先までの距離については注意しておきたい口コミもあります。過去には、大原や宇治など遠い実習先になり、通うことを負担に感じた学生もいました。
実際に京都市内を中心に約70の施設を実習先として確保しており、実習施設には京都市中心部だけでなく、大原や宇治方面の施設も含まれています。
さまざまな病院・施設で実習できることは、多様な看護現場を経験できるメリットがあります。一方で、実習先によっては普段の大学への通学より移動時間が長くなる可能性があることは、あらかじめ知っておきたいポイントです。
国家試験対策の口コミ
国家試験対策については、大学からのサポートがしっかりしていることが評価されています。
国家試験のためのサポートはしっかりされていると思う。
ほかの口コミでも、国家試験をサポートする教員がおり、時間割の中にも国家試験対策の時間が設けられていたほか、分からないところを質問すると教えてもらえたという声があります。
これらの口コミからは、国家試験対策の機会が用意されているだけでなく、分からないところを教員に質問しながら勉強を進められることまで含めて、サポートが高く評価されています。
実際に京都看護大学では、4年次になってから対策を始めるのではなく、1・2年次から段階的に国家試験対策を行っています。低学年では国家試験科目の授業内で小テストを行うほか、「系統別看護師国家試験問題Webシステム」を活用した学習などを取り入れています。
さらに、学年が上がると模擬試験や国家試験対策講座などを行い、個別相談や自主学習のサポートも実施しています。低学年から問題に触れ、学習状況を確認しながら、国家試験に向けた準備を段階的に進める仕組みになっています。
こうした対策のメリットは、国家試験直前になってから大量の範囲を一から復習するのではなく、普段の授業と国家試験の勉強を結びつけながら知識を積み重ねられることです。
また、模擬試験や問題演習で苦手な分野が分かったときには、個別相談などの支援も利用できます。口コミにある「分からないところを質問すると教えてもらえる」という経験ともつながっており、自分だけでは理解できない部分を残したままにせず、教員のサポートを受けながら対策を進めやすいことがメリットといえるでしょう。
ただし、資格取得に向けた学習については、課題やテストが多く、学校生活を大変に感じたという口コミもあります。その学生自身も資格取得には必要なことだと受け止めていますが、国家試験へのサポートが充実しているからといって、学生自身の勉強量が少なくて済むわけではありません。
低学年から小テストや国家試験問題に取り組む機会がある分、普段の授業や課題と並行して継続的に勉強する必要があることは知っておきたいポイントです。
就職支援の口コミ
就職支援については、好評が多いです。
キャリア支援の方が病院の長所、短所をきちんと理解し、また病院の看護師の特徴などの情報も得られたためスムーズに就職活動が進められた。
この口コミで特に評価されているのは、ただ求人情報を紹介してもらえるだけでなく、病院ごとの特徴まで踏まえた情報を得られたことです。看護師の就職先は同じ病院でも、扱う医療や看護の特徴、働く環境などが異なります。そうした違いを理解したうえで就職先を検討できたことが、スムーズな就職活動につながったことが分かります。
ほかの口コミでも、就職担当者にさまざまな相談ができた、教員が気にかけてくれて声をかけてもらえた、面接や小論文をしっかり見てもらえたなど、就職担当者と教員の両方から支援を受けられることが評価されています。また、第一志望へ就職している学生が多い印象だったという声もありました。
実際に、1年次から就職支援プログラムを始め、低学年から卒業後のキャリアを考える機会を設けています。
就職活動が本格化すると個別相談を行うほか、実習病院などが参加する合同就職ガイダンス、エントリーシート・履歴書の作成、面接、小論文など、採用試験に合わせた対策を行っています。さらに、キャリア支援担当者とゼミなどの教員が連携して学生を支える体制になっています。
とくに特徴的なのが、学生が受験する病院に合わせた個別の就職対策です。現在も病院別の面接・筆記試験対策や継続的なキャリア面談が行われており、一人ひとりがどのような看護に携わりたいのか、将来どのようなキャリアを築きたいのかまで確認しながら支援しています。
こうした支援のメリットは、単に「就職できる病院」を探すのではなく、自分が目指す看護や働き方と照らし合わせながら志望先を考え、その病院の採用試験に合わせて準備できることです。病院選びと選考対策の両方を相談できるため、初めて本格的な就職活動をする学生でも、何を準備すればよいのか整理しながら進めやすくなります。
実際、現在公表されている1~9期生の実績では、就職希望者の就職率は100%、第一志望への就職は80%以上となっています。全員が第一志望に就職できるという意味ではありませんが、口コミにある「第一希望で行けている人が多い印象」ともつながる実績です。
ただし、就職支援に対しては、自分が希望する病院と大学側が勧める就職先が一致しない場合、十分な支援を受けられなかったように感じたという口コミも一部ありました。
ただ、現在は、大学が学生全員との継続的なキャリア面談を行い、学生一人ひとりの思いや希望する進路を踏まえて支援する方針を示しています。また、個々の適性や希望に応じた就職を支援するとしています。
実際に就職支援を高く評価する口コミが主流であることから、基本的には学生の希望を聞きながら、志望先に合わせた支援を受けられると考えてよいでしょう。
一方で、就職先を決める際には、本人の希望だけでなく、その病院で求められることや学生自身の適性なども踏まえて相談が行われます。そのため、自分が希望する就職先と大学側からのアドバイスが必ずしも一致するとは限りません。
手厚い支援を受けるだけでなく、自分の希望と適性をすり合わせながら納得できる就職先を考えていくことが、京都看護大学の就職支援を活用するポイントといえるでしょう。
学生生活の口コミ
学生生活については、看護系単科大学ならではの人間関係のつくりやすさを評価する声がある一方、学業が忙しく、一般的な大学生活とは少し違うと感じる学生もいます。
友人関係については、看護学科だけなので周囲と比べず一緒に頑張りやすい、1クラスなので友人がたくさんできたという口コミがあります。また、実習や演習を通してさまざまな学生と関わり、学年が上がるにつれて仲が深まったと感じる学生もいました。
実際に京都看護大学は、看護学部看護学科のみの看護系単科大学です。2025年5月時点の学部在学生は404人で、1学年はおおむね100人規模となっています。
この環境のメリットは、同じ看護師という目標を持つ学生と4年間を過ごせることです。大学公式の在学生アンケートでも、看護師を目指す学生だけが集まっているため、みんなで頑張ろうという雰囲気があるという声が紹介されています。
特に看護学では、演習で学生同士が看護師役・患者役になったり、実習に向けて協力したりする機会があります。同じ目標を持つ学生と日頃から関係を築きやすいことは、授業や実習を一緒に乗り越えていくうえでもメリットになるでしょう。
一方で、他学部・他学科の学生との交流は限られます。口コミでも、1学年100人程度で他学科がないため、学内で幅広い分野の学生と関係を持つことは難しいという声があります。
総合大学のように、異なる学問を専攻する学生と日常的に交流する環境ではありません。そのため、看護を目指す仲間との関係を深めやすいことをメリットと感じるか、学内でさまざまな分野の学生と交流したいと考えるかによって、単科大学の環境への評価は分かれそうです。
また、立地については、公共交通機関を利用しやすく、大学周辺で過ごしやすいことを評価する口コミがあります。JR・阪急・バス停が近く、周辺にはランチができる場所も多いため、気分転換しやすかったという声がありました。
実際に阪急京都線の西院駅、JR嵯峨野線の丹波口駅に加えて、大学周辺の複数のバス停を利用できます。大学も複数の公共交通機関を使える立地を案内しています。
通学方法を選びやすいだけでなく、授業の空き時間や放課後に大学周辺で食事をしたり、気分転換したりしやすいことも、日々通う学生にとってはメリットといえるでしょう。
ただし、学生生活の忙しさについては注意が必要です。課題に追われて忙しく、1年次にはサークル活動ができたものの、その後は難しいと感じた学生がいます。また、サークルの種類や参加者が少ないという口コミもありました。
大学では「京看祭」と呼ばれる大学祭やクラブ・サークル活動が行われていること自体は公式情報でも確認できます。ただし、口コミを見る限り、学年が上がって授業・演習・実習などが忙しくなると、課外活動にどの程度時間を使えるかには個人差があると考えておいたほうがよいでしょう。
京都看護大学の学生生活は、幅広い学部の学生と交流したり、サークル活動を中心に過ごしたりすることよりも、同じ看護師を目指す仲間と関係を築きながら、看護の勉強を中心に大学生活を送りたい人に特徴が分かりやすい環境といえます。
セクション3|京都看護大学の入試倍率・偏差値は?2027年度の入試科目と難易度
京都看護大学の2027年度入試は、総合型選抜AO入試、学校推薦型選抜、社会人入試、一般選抜A~C日程、大学入学共通テスト利用選抜と、受験ルートが幅広く用意されています。一般選抜でも3教科・2教科・国語1教科など方式を選べるため、得意科目や高校での活動、社会人経験など、自分の強みを活かせる入試を探しやすい大学です。
2027年度は入試制度にも重要な変更があります。特に公募推薦A日程では従来の評定基準がなくなり、英検・漢検・数検などを活かせる「資格・検定加算制度」も導入されています。入試方式の名称だけでなく、配点まで比較して自分に合う方式を選ぶことが重要です。
京都看護大学の入試倍率は?一般選抜は1.8倍
河合塾Kei-Netの入試結果によると、京都看護大学看護学科の2026年度一般選抜は、志願者151名、受験者123名、合格者69名で、実質倍率は1.8倍でした。大学入学共通テスト利用選抜は42名が受験し36名が合格しており、実質倍率は1.2倍です。
| 入試区分 | 志願者数 | 受験者数 | 合格者数 | 実質倍率 |
|---|---|---|---|---|
| 一般選抜 | 151名 | 123名 | 69名 | 1.8倍 |
| 共通テスト利用選抜 | 42名 | 42名 | 36名 | 1.2倍 |
| 学校推薦型選抜 | 86名 | 86名 | 84名 | 約1.0倍 |
| 総合型選抜 | 31名 | 31名 | 25名 | 約1.2倍 |
学校推薦型選抜は86名が受験し84名が合格、総合型選抜は31名が受験し25名が合格しています。一般選抜と比べると合格者の割合は高くなっていますが、推薦や総合型は出願条件や選考方法が一般選抜とは異なるため、倍率の数字だけで「合格しやすい」と判断することはできません。
2027年度は推薦から一般・社会人まで選択肢が多い
主な入試方式を整理すると、次のようになります。
| 入試方式 | 主な選考方法・特徴 |
|---|---|
| 総合型選抜AO入試 | 模擬授業のレポート・書類審査による第一次選考+グループ面接・書類審査による第二次選考 |
| 公募推薦A日程 | 小論文100点+個人面接80点+書類審査100点 |
| 公募推薦B日程 | 学力試験等を含む学校推薦型選抜 |
| 社会人入試 | 総合問題100点+個人面接100点+書類審査20点 |
| 一般選抜A・B日程 | 3教科方式または2教科方式+書類審査20点 |
| 一般選抜C日程 | 国語100点+個人面接80点+書類審査20点 |
| 共通テスト利用選抜 | 国語+選択2科目+書類審査20点。本学独自試験なし |
総合型選抜AO入試は、一般的な学力試験中心の入試とは性格が異なります。第一次選考では模擬授業を受けてレポートを作成し、第二次選考ではディスカッションを含むグループ面接が行われます。高校時代の活動実績なども出願資格に関わるため、これまでの活動と看護を学びたい理由を結び付けて示せる人が検討しやすい方式です。
公募推薦Aは評定3.5以上の出願基準を撤廃
2027年度入試で特に注目したい変更が、公募推薦A日程です。2026年度まで必要だった「全体の学習成績の状況3.5以上」という基準がなくなり、2027年度は学習成績の状況による出願基準を設けていません。
これまで評定が3.5に届かず出願できなかった受験生にも選択肢が広がったことは明確なメリットです。ただし、公募推薦A日程は合格した場合に入学する意思が必要で、募集人員も2026年度の7名から2027年度は5名に変更されています。
さらに重要なのが配点です。書類審査は2026年度の20点から、2027年度は100点へ大幅に引き上げられました。小論文100点、個人面接80点、書類審査100点で判定されるため、「評定基準がなくなった=高校での取り組みを見られない」という入試ではありません。 小論文・面接だけでなく、志望理由書や調査書を含めた準備が重要になります。
一方、公募推薦B日程の募集人員は2026年度の33名から2027年度は35名に増えています。推薦を中心に受験を考える場合でも、A・B日程の選考方法や募集人数を比較して受験方式を決めたいところです。
一般選抜A・Bは国語を軸に2教科・3教科から選べる
一般選抜A・B日程には3教科方式と2教科方式があります。3教科方式は国語・英語・数学を各100点、計300点で受験し、書類審査20点を加えて判定します。
2教科方式は国語が必須で、英語または数学から得意な1科目を選択します。それぞれ100点満点の試験を150点満点へ換算して計300点とし、書類審査20点を加えて判定します。英語と数学の両方を受ける必要がないため、国語に加えて英語か数学のどちらかを得意とする受験生は科目を絞って対策できます。
さらにA日程では、3教科方式の受験者が追加の入学検定料なしで2教科方式を併願できます。3教科方式で受験した英語・数学のうち高得点の科目が2教科方式に採用され、方式ごとに合否判定されるため、3科目を準備できる受験生には合格判定の機会を増やせる仕組みです。
C日程はさらに科目が絞られ、国語100点、個人面接80点、書類審査20点で判定されます。一般選抜でも学力試験だけでなく面接を含む方式が残されているため、受験時期や得意科目に合わせてA~C日程を使い分けられます。
社会人経験を活かせる独立した入試がある
社会人入試では、2027年4月1日時点で20歳以上であり、社会人として1年以上の職務経験があることなどが出願条件です。選考は総合問題100点、個人面接100点、書類審査20点で行われます。
高校卒業から時間がたっている社会人にとって、現役高校生と同じ3教科型の一般選抜だけでなく、社会人を対象とした独立した受験ルートがあることは大きな選択肢です。一方で、面接が総合問題と同じ100点あるため、学び直す理由や看護師を目指す動機を自分の職務経験と結び付けて説明する準備も重要になります。
2027年度から英検・漢検・数検などを入試得点に加算
2027年度から、編入学を除く看護学部の全入学者選抜に「資格・検定加算制度」が導入されています。英語・国語・数学について、英検・GTEC・漢検・数検など対象となる資格・検定の成績を入試得点に加算する制度です。
現在の案内では、1教科最大10点、3教科合計で最大30点が加算されます。すでに対象資格を持っている受験生は、その実績を入試で活かせることになります。
なお、制度の初期予告では最大15点とされていましたが、その後の案内では最大30点となっています。資格の種類や級・スコアによって加算点が異なるため、実際に利用する場合は2027年度の公式資料で自分の資格が何点になるか確認しておきましょう。
京都看護大学の2027年度偏差値は40.0~42.5が目安
河合塾が公表している2027年度入試の方式別ボーダーラインでは、京都看護大学看護学科の偏差値は3教科方式40.0、2教科方式42.5です。大学入学共通テスト利用方式のボーダー得点率は47%となっています。
ここでいうボーダーラインは、河合塾が予想する合格可能性50%の目安です。そのため「偏差値42.5あれば合格する」と判断する数値ではありません。また、公募推薦Aのように小論文・面接・書類審査で判定する方式や、AO入試のように模擬授業のレポートやグループ面接を行う方式は、一般選抜の偏差値だけでは難易度を判断できません。
【受験対策、しっかり進んでいますか?】
何から勉強すればよいか分からない方や、基礎学力に不安がある方は、看護学校受験専門の完全個別指導も選択肢です。
さくら看護予備校なら、現在の学力確認から学習計画の作成・調整、志望校別の教科・小論文・面接対策まで一体的に進められます。
ぜひとも合格したい看護学校がある/今年こそ合格したいという方々に向いています。
▶高校生・既卒生向けのさくら看護予備校レビューはこちら
▶社会人向けのさくら看護予備校レビューはこちら
セクション4|京都看護大学の学費は4年間でいくら?奨学金・修学資金も解説
京都看護大学の初年度納入金は190万円で、2年次以降は年間170万円です。公式に示された各年度の納入金をもとに計算すると、4年間の学校納入金は700万円となります。これとは別に、入学時の実習用品など約10万円とテキスト代が必要です。
学費負担は小さくありませんが、京都看護大学には大学独自の奨学金に加え、京都市・京都府の看護師向け修学資金があります。特に京都市の制度は最大480万円の融資を受けられるため、卒業後の働き方まで含めて検討すると学費負担を考えるうえで重要な制度です。
京都看護大学の学費は初年度190万円、4年間で700万円
看護学部の学校納入金は、入学金20万円、授業料年間115万円、演習費年間25万円、施設設備費年間30万円です。初年度のみ入学金が加わるため190万円となり、2年次以降は年間170万円です。
| 項目 | 初年度 | 2年次以降 |
|---|---|---|
| 入学金 | 20万円 | - |
| 授業料 | 115万円 | 115万円 |
| 演習費 | 25万円 | 25万円 |
| 施設設備費 | 30万円 | 30万円 |
| 年間合計 | 190万円 | 170万円 |
公式の各年度納入金をもとに計算した4年間の学校納入金は700万円です。単純平均すると年間175万円、月額では約14万6,700円に相当しますが、実際は毎月均等に支払うわけではなく、初年度は前期105万円・後期85万円など所定の時期に納入します。
また、京都看護大学は2024年12月時点で、開学以来、入学金・授業料・演習費・施設設備費を一度も値上げしていないとしています。今後の金額まで保証されるものではありませんが、これまで学校納入金が据え置かれてきた実績は、4年間の費用を見通すうえで参考になるポイントです。
学費とは別に入学時約10万円とテキスト代が必要
700万円は、あくまで大学へ納める入学金・授業料・演習費・施設設備費の合計です。入学時には、保険料、実習服や聴診器などの実習用品、学生活動支援費などとして別途およそ10万円が必要で、さらにテキスト代もかかります。
そのため、「4年間700万円ですべての費用をまかなえる」という意味ではありません。看護系では授業料以外にも学修に必要な支出があるため、学校納入金とその他の費用を分けて資金計画を立てておくことが大切です。
大学独自の「京都看護大学特別奨学金」がある
京都看護大学には独自の「京都看護大学特別奨学金」があり、ⅠとⅡの2種類が設けられています。特別奨学金Ⅰは京都市看護師修学資金融資制度の利用希望者を対象に審査のうえ貸与する制度、特別奨学金Ⅱは成績優秀者を対象とする給付型です。
特に注意したいのは、ⅠとⅡでは性格が異なることです。特別奨学金Ⅱは給付ですが、Ⅰは貸与であり、京都市の修学資金融資制度につながる制度です。奨学金を比較するときは、金額だけでなく、給付なのか貸与なのかまで確認しておきましょう。
京都市の修学資金は最大480万円、就職先によって返済負担を抑えられる
京都市看護師修学資金融資制度は、京都市内の私立大学4年制看護学科に在学し、経済的理由で学費負担が難しい人などを対象とした制度です。大学指定の奨学金を利用していることや学習状況、卒業後に京都市域内で看護職員として働く意思などの要件があります。
融資額は年間最大120万円、4年間で最大480万円です。民間金融機関から融資を受ける仕組みですが、支払った利子相当額は京都市から補給されるため、制度上は実質無利子で利用できます。
さらに、卒業後に看護師として地方独立行政法人京都市立病院機構へ勤務した場合、勤務期間中は返済する元金に相当する額について京都市から補給を受けられます。
単純な「返済不要の奨学金」ではなく、利用には審査があり、元金への支援には卒業後の勤務先が関係します。一方、4年間の学校納入金700万円に対して最大480万円という融資枠は大きいため、京都市内での就職、とくに京都市立病院機構で働くことを進路の選択肢に入れている人には検討価値の高い制度です。
京都府看護師等修学資金は月額3万6,000円を貸与
京都府にも看護師を目指す学生向けの「京都府看護師等修学資金貸付制度」があります。京都看護大学のような私立の看護師養成課程では、月額3万6,000円の貸与を受けられます。
これは貸与型ですが、卒業後に看護師免許を取得し、京都府内の200床未満の病院など所定の免除対象施設で引き続き5年間勤務するなど、定められた条件を満たした場合は返還免除を受けられます。
反対に条件を満たさなければ返還が必要になるため、将来働きたい地域や医療機関まで考えて利用を判断することが重要です。
なお、当サイトでは、当サイト限定の看護系奨学金リストを公開しています
セクション5|京都看護大学のカリキュラム・学内演習の特徴は?4年間の学びを解説
京都看護大学のカリキュラムで特徴的なのは、病気や診療科ごとに知識を覚えるだけでなく、「生活行動」を軸に、人間・環境・健康を結び付けて看護を考える教育です。
さらに、1年間を4期に分ける「4期制」と科目間連携を取り入れ、学んだ知識を別々のものにせず、関連付けながら理解できるようカリキュラムが組まれています。
4年間では、1年次の基礎から2年次の専門的な看護、3年次の実践的な学び、4年次の統合・卒業研究へと段階的に進みます。講義だけでなく、演習やiPadを使った振り返りを組み合わせているため、知識を覚えることと看護技術を身につけることをつなげながら学びたい人に注目したいカリキュラムです。
「生活行動」を軸に、科目を横断して看護を学ぶ
京都看護大学では、看護学のコンセプトとして「生活行動」を掲げています。病気やけがだけを見るのではなく、その人が呼吸する、食べる、動く、人とかかわるといった生活を捉え、身体面だけでなく心理・社会・環境なども含めて支援する考え方です。
この考え方に合わせて、「人間と生活行動」などの科目が配置され、専門分野を横断しながら学ぶ構成になっています。たとえば人体の構造や機能について学んだ内容を、その後の看護援助や患者の生活を考える学習へつなげていきます。成人・小児・母性などの領域を個別に覚えるだけでなく、「その人の生活をどう支えるか」という共通した視点で学びをつなげていることが、京都看護大学のカリキュラムを理解するうえで重要なポイントです。
4期制で学習範囲を区切り、科目同士をつなげる
京都看護大学では、一般的な前期・後期の2期制ではなく、1年間を4期に分けたカリキュラムを導入しています。大学は、1回の試験で扱う科目数や範囲を抑えて学修内容を定着させるとともに、関連する科目をつなげて学べるようにすることを4期制導入の目的として挙げています。
大学によると、4期制導入後はGPAの上昇傾向や再試験、退学率の減少といった変化もみられています。単に試験回数を増やした制度ではなく、一度に大量の内容を覚えるのではなく、学んだ内容を定着させて次の専門科目へつなげやすくする仕組みとして取り入れられている点は評価できます。
1年次の基礎から4年次の統合・卒業研究へ段階的に進む
1年次は、人間の身体や心理、健康、看護の基礎などを学びながら、看護を考えるための土台をつくります。基礎ゼミも配置されており、高校までとは異なる大学での主体的な学び方も身につけていきます。
2年次になると、看護過程や生活行動に応じた看護、各種の看護演習など、より専門的な内容が増えます。国際看護論・国際看護論実習も2年次に配置されており、国内の医療だけでなく、文化や社会的背景の異なる人への看護について考える学びへ視野を広げます。
3年次は、これまで身につけた知識と技術をより実践的に結び付ける段階です。そして4年次には総合実習に加え、「課題探求ゼミ3(卒業研究)」があり、自ら設定した研究課題について文献検討、研究計画、データ収集・分析、卒業論文、成果発表まで取り組みます。基礎から専門、実践、研究へと4年間で段階を上げていく構成になっています。
チーム医療は実践の中で多職種との連携を学ぶ
京都看護大学では、看護師だけで患者を支えるのではなく、さまざまな職種と協力するチーム医療の視点を学びます。臨地実習では、看護専門職としての役割を理解するとともに、多様な職種とチームで働くことを学びます。
ただし、京都看護大学は看護系単科大学のため、医学部・薬学部・リハビリ系学部などの学生が継続的に合同授業を行うタイプの多職種連携教育とは異なります。
「国際看護論」と実習で国内外の看護へ視野を広げる
国際看護については、2年次に必修科目の「国際看護論」があります。諸外国の健康問題や保健医療、グローバルヘルスについて学ぶだけでなく、在日外国人の医療・保健ニーズや、文化的背景・価値観の異なる人に対する看護についても考える授業です。海外だけを対象にするのではなく、日本国内の多文化化まで含めて看護を考える点が特徴です。
さらに、2年次後期には選択科目として「国際看護論実習」があり、国際看護論で学んだ内容をもとに、異文化圏で暮らす人々への看護実践や、その背景にある保健医療システム、健康に対する考え方などへの理解を深めます。
必修の講義で国際看護の基礎を学び、希望者は実習によって多文化共生社会における看護まで掘り下げられる構成は、国際的な視点を持つ看護師を目指す人にとって注目したいポイントです。なお、国際看護論実習は選択科目のため、全学生が履修する科目ではありません。
iPadで自分の看護技術を録画し、振り返りに活用
京都看護大学ではICT教育を開学当初から導入しており、iPadを授業や予習・復習だけでなく、看護技術の演習にも活用しています。演習中に自分の援助場面をiPadで録画し、手技を見直すことで、できている部分と修正が必要な部分を確認しながら練習できます。
デジタルテキストや動画教材に加え、現在はAIを搭載した学習アプリも活用されています。紙の教材を電子化しただけではなく、授業・演習・予習復習を同じ端末でつなぎ、自分の理解度や看護技術を振り返るためにICTを使っていることが特徴です。
セクション6|京都看護大学の国家試験合格率は?国試対策と第115回の結果
京都看護大学は、看護師国家試験で高い合格実績を残しています。第115回看護師国家試験では98人が受験して95人が合格し、合格率は96.9%でした。さらに、1~9期生の新卒平均合格率は98.2%で、単年度の結果だけでなく、これまでの実績も学校選びの判断材料になります。
第115回看護師国家試験の合格率は96.9%
第115回看護師国家試験の結果は次のとおりです。
| 区分 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
|---|---|---|---|
| 京都看護大学 | 98人 | 95人 | 96.9% |
| 全国全体 | 59,614人 | 52,666人 | 88.3% |
京都看護大学の合格率96.9%は、全国全体の88.3%を8.6ポイント上回っています。全国全体と同じ88.3%を京都看護大学の受験者98人に当てはめると合格者は約87人となるため、実人数に置き換えると8人程度の差に相当します。
もちろん、国家試験は年度によって結果が変わるため、1回の合格率だけで大学の教育全体を判断することはできません。それでも、京都看護大学では1~9期生の看護師国家試験新卒平均合格率も98.2%となっており、第115回だけが突出して高かったわけではない点は評価できます。
1・2年次から段階的に国家試験対策を進める
京都看護大学の国家試験対策で特徴的なのは、4年次になってから集中的に始めるのではなく、1・2年次、3年次、4年次と段階ごとに到達目標を設定していることです。学修支援センターが中心となり、日常の学習支援から国家試験対策までをつなげています。
1・2年次は「国家試験必修問題クリア」を目標に、国家試験に関係する授業での小テスト、系統別の看護師国家試験問題を解けるWebシステム、学内模擬試験などに取り組みます。早い時期から問題形式に触れるため、授業で学んだ知識を国家試験の問題にどう使うのかを確認しながら基礎を固められるのがポイントです。
3年次は「国家試験受験レベルに到達」を目標とし、講義で身につけた知識を臨地実習で活用しながら、患者の状態を踏まえて判断する力を養います。
これは、患者の具体的な場面から必要な看護を考える国家試験の「状況設定問題」への対応にもつながります。国家試験対策と実習を別々に考えるのではなく、実習での経験も試験に必要な判断力へつなげていく点は、京都看護大学ならではの評価ポイントです。
4年次は「国家試験合格へ」を目標に、正課外の国家試験対策講座や模擬試験を実施し、個々の達成度に応じた支援も行います。これまでの大学資料では、全員を対象とした特別講義に加え、学習状況に応じた補完・特別講義や、学年担任と連携した面談なども確認できます。
つまり、京都看護大学の国家試験対策は、「1・2年次の基礎固め→3年次の実習を通じた応用→4年次の講座・模試→達成度に応じた個別支援」と4年間の学習をつなげているのが特徴です。
セクション7|京都看護大学の就職率は?主な就職先・実習病院への就職と進路支援
京都看護大学は、就職率だけでなく「希望する病院へ就職できているか」という点でも実績があります。1~9期生の就職希望者の就職率は100%、第一志望への就職は80%以上です。さらに、実習病院への就職が約70%とされており、実習で経験した医療現場を就職先選びにつなげやすい点も特徴です。
1~9期生の就職率は100%、第一志望は80%以上
京都看護大学では、1~9期生の就職希望者を対象とした就職率が100%となっています。ただ就職先を確保できているだけでなく、第一志望への就職が80%以上という実績も示されています。
第一志望への就職実績まで確認できるため、「看護師として就職できるか」だけでなく、自分が希望する病院や看護領域への就職を目指したい人にとっても評価しやすいです。
京都市立病院や大学病院などへの就職実績がある
主な就職先には、京都市立病院、京都大学医学部附属病院、京都府立医科大学附属病院などがあります。このほかにも大学病院や公的病院などへの就職実績があり、2026年3月時点の累計では国公立病院476名、大学病院236名への就職実績が公表されています。
特に、京都市内の主要な病院への就職実績を確認できるため、卒業後も京都周辺で看護師として働きたい人には進路をイメージしやすい大学といえます。一方で、滋賀・大阪・兵庫など京都府外の医療機関への就職実績もあり、京都市内だけに進路が限定されているわけではありません。
なお、国公立病院や大学病院などの区分には重なりがある可能性があるため、それぞれの人数を合計して卒業生の総就職者数と考えることはできません。
約70%が実習病院へ就職している
京都看護大学の就職で特に注目したいのが、実習と就職のつながりです。大学によると、2024年時点で約70%が実習病院へ就職しています。
看護学生にとって、病院名や求人情報だけで自分に合う職場を判断するのは簡単ではありません。京都看護大学では実習を通じて、病院の役割や看護の現場を学生のうちに経験できます。そのうえで実習先を就職候補として検討できるため、職場を実際に見てから進路を考えたい人には大きなメリットです。
もちろん、実習病院だから採用で有利になるとは限りません。それでも、実習先と実際の就職先がこれだけ結びついていることは、京都看護大学の進路を考えるうえで特徴的なポイントです。
1年次から始まり、就職活動まで段階的に支援
就職支援も4年次だけに集中しているわけではありません。1年次から将来のキャリアを考える機会を設け、2年次には就職ガイダンス、3年次には個別指導や合同就職ガイダンス、4年次にはエントリーシート・履歴書、小論文、面接など、実際の採用試験を意識した支援へ進みます。
特に合同就職ガイダンスでは、就職実績のある病院や実習病院を中心に50近くの病院が参加した実績があります。学生一人ひとりとの面談も行われ、希望する看護領域や将来のキャリアを踏まえながら進路選択を支援しています。
そのため、京都看護大学の就職支援は「求人を紹介する」だけではなく、早い段階から進路を考え、実習で職場を知り、病院との接点を持ち、採用試験対策へ進む流れが作られている点を評価できます。第一志望への就職が80%以上という実績を見る際にも、こうした段階的な支援とあわせて考えると学校の特徴が分かりやすくなります。
保健師・助産師や大学院への進学も選択肢
卒業後の進路は病院への就職だけではありません。大学院への進学のほか、保健師や助産師を目指して養成課程などへ進学した実績があります。
助産師を目指す卒業生では、森ノ宮医療大学助産学専攻科、宝塚大学助産学専攻科、畿央大学助産学専攻科などへの進学実績が確認できます。就職だけでなく、卒業後にさらに専門資格を目指す学生への進路支援がある点も特徴です。
ただし、京都看護大学の看護学部を卒業すれば、看護師に加えて保健師や助産師の国家試験受験資格まで全員が取得できるという意味ではありません。保健師・助産師を希望する場合は、卒業後の進学を含めた進路として考える必要があります。
セクション8|京都看護大学の実習先は?約70施設で学ぶ臨地実習とシミュレーション教育
京都看護大学では、1年次から4年次まで段階的に臨地実習を行い、特に3年次には領域別の実習を集中的に経験します。実習先は京都市内を中心に約70施設あり、高度急性期の病院から地域医療、在宅、福祉、子どもに関わる施設まで幅広いのが特徴です。
学内ではシミュレータなどを使った演習も行うため、学内で技術を身につけてから実際の医療・看護現場で実践し、4年次に学びを統合する流れが作られています。
1年次から実習が始まり、3年次に本格化する
最初の臨地実習は1年次から始まり、4年次まで段階的に実践経験を積みます。低学年で看護の基本や患者との関わりを学んだ後、3年次には在宅、高齢者、母性、小児、急性期・周術期、精神など、さまざまな領域の臨地実習を経験します。
特に3年次は臨地実習が集中的に行われる時期です。講義や学内演習で学んだ知識・技術を実際の患者への看護に結びつけながら、看護師の役割や患者の状態に応じた判断を学びます。4年次には、それまでの講義・演習・臨地実習で得た学びを統合し、より実践的な看護へ発展させていきます。
このように、いきなり長期間の実習に進むのではなく、1年次から現場に触れ、学年が上がるにつれて実習の内容を深めていく点は、4年制大学で段階的に実践力を身につけたい人にとってメリットです。
京都市内を中心に約70の病院・施設で実習
実習先は京都市内を中心に約70施設あります。高度急性期・急性期・回復期・慢性期の病院だけでなく、老人福祉施設、老人保健施設、在宅サービス、デイサービス、保育所、小学校、総合支援学校、児童館なども含まれています。
代表的な実習病院には、京都市立病院、京都大学医学部附属病院、京都府立医科大学附属病院などがあります。大学病院や高度医療を担う病院だけに実習先が偏っているのではなく、患者の治療段階や生活する場所が異なる複数の施設で看護を学べることが京都看護大学の実習環境の強みです。
ただし、「約70施設」は大学が確保している実習先全体を示すもので、1人の学生が70施設すべてで実習するわけではありません。学校を比較するときは施設数だけでなく、病院・在宅・福祉・子どもに関わる施設など、実習先の種類にも注目するとよいでしょう。
シミュレーション教育で実習前に看護技術を身につける
臨地実習に出る前の学内演習にも設備が用意されています。基礎看護学実習室にはベッドや採血シミュレータなどがあり、成人・老年看護学実習室では、患者の状態を確認するフィジカルアセスメントのモデルや全身型のシミュレータを使った演習ができる環境が整えられています。
さらに、地域在宅・精神看護学実習室には家庭用の浴室や和室、ベッド、手すり、段差、スロープなどが設けられ、実際の在宅療養に近い環境で演習できるようになっています。病院で使う技術だけではなく、患者が自宅で生活する場面まで想定して看護を練習できることがポイントです。
シミュレーション教育のメリットは、患者を相手にする前に、学内で繰り返し技術や判断を確認できることです。学内での演習と臨地実習をつなげて学びたい人にとって、こうした設備を使いながら実践に備えられる環境は学校選びの評価材料になります。
チーム医療を実習の現場で学べる
京都看護大学では、3年次の臨地実習を通じて看護専門職としての役割を理解するとともに、さまざまな職種とチームで働くことを学びます。また、緩和ケアの実習では、患者本人だけでなく家族へのケアや、他職種によるチーム医療の重要性を看護の視点から学ぶことが位置づけられています。看護師だけで完結する看護ではなく、医師をはじめとする他職種と連携する経験を実習の中で学べることは、卒業後の医療現場を意識した教育として評価できます。
国際看護を実習で学ぶ選択肢もある
京都看護大学では国際的な視点から看護を考える学びも用意されており、カリキュラムには選択科目として「国際看護論実習」が位置づけられています。海外の病院・施設を訪問し、現地の看護やケアの実践、その背景に触れることで理解を深める実習として実施されてきました。国内の病院・施設での実習だけでなく、異なる文化や医療・看護のあり方に関心がある人が国際的な視点を広げられる選択肢がある点も特徴です。
実習経験を就職先選びにもつなげやすい
京都看護大学では、実習先が卒業後の就職先につながっている点も見逃せません。
実習では、病院の名前だけでは分からない看護の現場や役割を学生のうちに経験できます。約70の多様な施設で実習できる環境は、看護技術を身につけるだけでなく、「どのような医療機関で働きたいか」「どの領域の看護に携わりたいか」を考える機会にもなります。
セクション9|京都看護大学が向いている人・向いていない人は?特徴から相性をチェック
京都看護大学は、1年次からの実習、4年間を通した国家試験対策、京都市内を中心とした約70施設での実習、実習病院への就職につながる進路支援が特徴です。特に、京都の医療現場で経験を積みながら看護師を目指したい人は、学校の教育環境と自分の希望が合っているか確認してみましょう。
京都看護大学が向いている人
- 1年次から実習を経験し、段階的に実践力を身につけたい人
- 京都市内を中心とした多様な病院・施設で実習したい人
- シミュレーション教育で技術を練習してから臨地実習に臨みたい人
- チーム医療や国際看護にも関心がある人
- 1・2年次から段階的に国家試験対策を進めたい人
- 京都市立病院や大学病院など、京都周辺の医療機関への就職を考えている人
- 実習で職場を経験してから就職先を考えたい人
- 第一志望の就職先に就職したい人
- 大学院への進学や、卒業後に保健師・助産師を目指す進路も検討したい人
- 大学独自の奨学金を利用して学びたい人
なかでも京都看護大学と相性がよいのは、実習経験を将来の就職先選びまでつなげたい人です。
実習先は京都市内を中心に約70施設あり、京都市立病院、京都大学医学部附属病院、京都府立医科大学附属病院などでも実習が行われています。実習病院へ就職する学生が約70%という実績もあり、学生のうちに現場を経験してから自分に合う職場を考えられることは大きな特徴です。
国家試験対策を重視する人にも向いています。1・2年次の基礎固めから始まり、3年次は実習を通して状況判断力を養い、4年次には国家試験対策講座や模擬試験、達成度に応じた支援へ進みます。
第115回看護師国家試験では98人中95人が合格し、合格率は96.9%でした。実習だけでなく国家試験まで4年間を通して段階的に準備したい人には検討しやすい環境です。
経済面では、大学独自の「京都看護大学特別奨学金」が用意されています。特別奨学金Ⅰは京都市看護師修学資金融資制度の利用希望者を対象に審査のうえ貸与され、特別奨学金Ⅱは成績優秀者を対象とする給付型です。
京都看護大学が向いていない可能性がある人
- 4年間の学部在学中に、看護師とあわせて保健師・助産師の国家試験受験資格も取得したい人
- 看護学科だけでなく、ほかの医療系学科の学生とも同じキャンパスで学びたい人
京都看護大学の看護学部で目指す基本資格は、看護師国家試験受験資格です。保健師や助産師を目指す場合は卒業後の進学などを検討する必要があるため、4年間で看護師に加えて保健師・助産師の国家試験受験資格も取得したい人は、複数資格に対応した大学と比較したほうがよいでしょう。
また、京都看護大学は看護学部看護学科を置く看護系の単科大学です。そのため、医学・薬学・リハビリテーションなど、ほかの医療系学科の学生と同じキャンパスで日常的に学ぶ環境を重視する人は、複数の医療系学部・学科を持つ大学も比較しておくと、自分に合った学習環境を選びやすくなります。
京都看護大学が気になる場合は、まず公式資料を請求し、学費・奨学金の利用条件、最新の入試、実習先、国家試験対策、就職実績を確認してみてください。そのうえで他の看護大学と比較し、候補に残った場合にオープンキャンパスへ参加すると、自分に合う学校か判断しやすくなります。
志望校を絞る段階で、必ず公式資料で最新情報を確認してください。
学費の準備、できていますか?
当サイトでは、様々な返済不要の奨学金リストを公開しています。高校・大学・短大・専門学校生向けの最新リスト(現在募集中の奨学金のみ)や、看護学生向け、ひとり親家庭向けなど、様々なジャンルの奨学金リストです。
返済不要な給付型奨学金や返済免除型がメインです。とくに、大学生向けだけでなく、高校生や小中学生向けにも給付型奨学金は多数あることを知らない方は、一読をおすすめします。これらのリストは当サイト限定です。
ちなみに、筆者はこれまで総計1900万円ほどの給付型奨学金を獲得しています。受かる書き方のコツも無料で全文公開しています。もちろん、当サイトでしか読めません。
当サイトでは、ほかにも多数の看護学校レビューを読むことができます。また、志望校選びでは学校の比較が欠かせませんが、元教員が比較方法を分かりやすく説明しています。
【受験対策、しっかり進んでいますか?】
何から勉強すればよいか分からない方や、基礎学力に不安がある方は、看護学校受験専門の完全個別指導も選択肢です。
さくら看護予備校なら、現在の学力確認から学習計画の作成・調整、志望校別の教科・小論文・面接対策まで一体的に進められます。
ぜひとも合格したい看護学校がある/今年こそ合格したいという方々に向いています。
▶高校生・既卒生向けのさくら看護予備校レビューはこちら
▶社会人向けのさくら看護予備校レビューはこちら
参考ページ
参考ページ
元教員がこの学校の入試・評判・学費・倍率・偏差値や国試対策・就職・授業・実習そして注意点・向き不向きなどを分かりやすく解説します。
